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【新品種ふくおとこ540日の記録】TOKIO「新男米」の品種改良米「ふくおとこ」は苦難の連続だったが、ついに収穫の日を迎えた [福島DASH村]

福島DASH村で17度目の米づくり

新種「ふくおとこ」の栽培

明雄さんの教えに従ってDASH村で米づくりを開始したのは2001年の春。
日本にある米の品種356種類から、味と香りが良い「ひとめぼれ」と寒さに強い「たかねみのり」いもち病に強い「ふくみらい」をかけ合わせて作ったのがTOKIOオリジナル米の「新男米」だ。
毎年収穫の際に種を残しながら、大震災を乗り越え作り続けて来て、今年で17年目となる。等級も最高の一等米の仲間入りまでできた。
しかし、米食味鑑定士・入口寿子さんから、新男米は「旨味が長続きしない」と指摘された。これは隠し味となる雑味が足りないことが原因だと言われた。
そこでTOKIOは品種改良に取り組むことにした。
雑味を補う米として選んだのは「チヨニシキ」。これは三瓶明雄さんが残してくれた品種だ。
今年(2017)の米作りはこの新男米の品種改良が中心となった。

新男米×チヨニシキ=107粒

新男米とチヨニシキの結婚は、雄しべを取った新男米のめしべにチヨニシキの雄しべの花粉を付着させる「花粉交配」で行う。
品種交配は、なかなか大変な作業だ。モミの先端をハサミで切り、中の雄しべを除去するのだが、ミリ単位なので、作業は難航した。これには大工仕事や土木作業が得意な山口も、雄しべの幅が0.3mmという細かい作業に悪戦苦闘。
一つのモミから6本の雄しべを取り除いたところへチヨニシキの花粉をかけるのだ。
2016年秋、種を確認したら、交配したのは20株。交配に成功したのは全部で107粒(成功率約3%)だった。
2017年春、この種を苗床に入れた。
5月、山口が芽の出具合を確認したら、まったく芽が出ていなかった。
そこで、福島DASH村の協力者・難波さんと一緒に、苗を温めるシートをかぶせた。
1週間後、城島も加わって苗の出具合を見たら、何と、芽が出ていた!
しかし、発芽を数えてみたら57個だった。

 交配4000→タネ107→苗57という状況だった。

しかし、ここからの成長は早かった。3週間後の5月下旬、すくすく伸びた苗を見ることができた。
だが、新男米の苗に比べて茎が細いのが気になるところ。葉も少なく色も薄い。

新品種「ふくおとこ」の田植え

TOKIOは新品種の田植えを行うことになった。
57本だから畳10畳分の田んぼだった。
17度目の田植えは城島と山口の2人で十分だった。
いつもなら村の仲間たちと1時間かけていた田植えも、今回はものの10分で終了した。

「ふくおとこ」試練に次ぐ試練

田植えから2ヶ月経った2017年7月、城島と山口が福島へ生育状況を見に行った。
天候不順や大雨などが続き、今年は生育が心配なのだ。
枝分かれして茎が増える「分けつ」はどうか?
去年の「新男米」は一つの苗から58本もの茎が出ていたが、「ふくおとこ」は?
山口「20、21、22…22本か」
分けつが少ないということは、米となる穂の数も少ないということだ。
難波さん「もうちょっと欲しいですね」
山口「明雄さんがやっていた、田車をやってみようか」

田車というのは、120年前から伝わる田んぼ専用の道具で、先端に付いたギザギザの車輪で、イネの根(根の先端部分)をカットする。するとイネは、養分が吸えず身の危険を感じ、生き残ろうとして新たな強い根を生やす。すると、より多くの養分が吸えるため生育が活発になり分けつも進む、というものなのだ。
二人は田車を「ふくおとこ」の田んぼに入れた。
城島「ぶちゅぶちゅ言ってる」
二人はイネの根を切った。
山口「これで、急にグワッと分けつしたらいいね」
城島「切れた根が浮かんできた」
山口「どうなるか、心配だけど見守りますか」

8月上旬。城島と山口はふくおとこの田んぼに行った。
城島「あっ、増えたね!」
山口「分けつ進んでる」
山口「28、29、30…31!」
2週間前22本だったのが、31本に増えた!
難波さん「増えましたね」
山口「根切って良かったんだ」
福島DASH村で学んだ知恵で、ふくおとこの生育を回復させた。
山口「出穂(しゅっすい)してるね」
出穂とは、茎と葉の境目から穂が出てくること。
城島「でも、ここらへん一帯は穂が出ていない」
と、城島はある部分に注目した。そこの株はまったく穂がでていないのだ。
山口「株によって穂が出ていない」
57株中、出穂したのは22株。
城島「生育不良かな?」
これには米作りの経験豊富な難波さんですら、品種改良の面では初めての経験だった。

交配が失敗した!?

そこで、福島県農業総合センター(300種類のイネを育てながら品種改良を行っている)の専門家佐藤誠さんに来てもらい、見てもらった。
佐藤さん「交配が失敗だと思いますね」
城島「えっ、だめか!」
佐藤さんによると、失敗したのは57株中、穂が出ていない35株、ではなく、穂が出ている22株の方!
山口「ということは、今出穂してるのは新男米!?」
つまり、今回の品種改良は、新男米のめしべにチヨニシキの花粉を着けるものだったが、1本でも新男米のおしべを取り損なうとその花粉を受粉してしまい、できた種は新男米のままだった、というわけなのである。
原因は細かい作業なので、おしべを取り損なったり、おしべを取る時に誤って花粉をめしべに着けてしまったりしたことなのか、と二人は思い当たった。何しろこの作業を行った人は平均約67歳なのだから。
佐藤さんによれば、出穂していない35株は生育中とのこと。
これらは「ふくおとこ」として出来上がる可能性がある。
これを聞き二人は、出穂した22株を別の田んぼに移すことにした。

 種107粒→苗57→35株

山口「スカスカ」
城島「少なくなった」
しかも米が大好きなスズメが虎視眈々と電線に止まって狙っていた。
そこで、防鳥ネットを張った。
山口「これで大丈夫だろう」
ふくおとこが穂を出すのは8月11日頃と予想される。新男米は出穂が早く(8月上旬)、チヨニシキは遅い(8月中下旬)ので、中間ぐらいだ。

今年の8月は雨続き。ほとんど晴れ間がないまま、その日を迎えた。
山口「あれっ出ましたね!」
難波さん「出ましたね」
山口「ということは間違いなくふくおとこ、ということでいいですね」
難波さん「やりましたね」
35株すべてで出穂していた。

イモチ病の恐怖

だが、記録的な長く続いた雨、その不安が的中する。
城島が愛読する『日本農業新聞』に「東日本太平洋側で日照不足・低温による、いもち警戒」との記事が出たからだ。
イモチ病の原因は日照不足にある。今年は26日連続の長雨に祟られた東日本、日照時間は平年の3割程度(53時間=福島市)しかない。
かけつけた城島がふくおとこの葉を手に取って見ると、
城島「まずい、まずい、この模様」
ふくおとこは、イモチにかかりはじめていた。湿気が多いとイモチ菌が繁殖しイネの葉や穂を枯らす恐ろしいイネの病気、イモチ病。イモチ菌の伝染力は早いから1週間で全滅することもある。
イモチが見つかったのは16枚の葉。
城島「これくらいなら、何とかなりそうだ。あの方法を使うしかない」
城島は難波さんと一緒に赤唐辛子の実を取って、それを細かく切った。
城島「明雄さん直伝の無農薬農薬イモチバージョン」
材料は赤唐辛子・にんにく・酢・木酢液など、すべて自然の中で採れたものを使う、特効薬だ。
これを散布することでイモチ菌を退治することができる。欠点はひどい匂いだ。
城島「何回作ってもこれは来るな」
こうやって作った無農薬農薬イモチバージョンを水で薄めて、噴霧器に入れ、症状の現れた葉に直接噴霧する。

その2週間後、城島は田んぼに行った。
城島「あっ、大丈夫ですね」
1本1本詳細に調べる。
城島「広がってへんな。効いたんや無農薬農薬が」
枯れた葉は落ち、穂は青々と。イモチ病には感染していなかった!

台風〜最大の危機を乗り越えて

9月に入って天気は回復。あと2週間ほどで借り入れの時を迎える。
穂が出てわかった、交配が成功したのは35株だったことを。
やがて生育が進み、穂はこうべを垂れはじめた。
しかし、9月中旬、最大の危機が!
DASH島の水路を一部破壊した大型台風18号が福島に迫っていたのだ!
9月18日、山口が難波さんに電話で状況を聞くと、「雨風がゴーゴー」とのこと。
山口「やばいね!」
日テレのZIP終了後、すぐに現地へ向かった。
山口「どうでしたか?」
難波さん「大変でした」
山口「倒れてる!」
しかし、よく見ると、地面ギリギリのところで踏みとどまった「ふくおとこ」。
山口「ギリギリ大丈夫だ!」
難波さん「ふくおとこ頑張ってましたよ」
山口「いや、よくもちこたえた!」
暴風雨に耐えることができたのは、茎の太さ。田車で根を切ったのが功を奏した。根張りがしっかりし茎を太くし、大型台風に耐えたのだ!
山口「やっておいて良かった。細くて頼りなかったのに、これだけ強くなったんだから、たいしたもんだ」
念のため、これ以上倒れないように棒で支えた。
出穂から38日、実のなり具合からして、あと1週間で刈り入れか。
山口「どうなるか?ふくおとこ」

そして収穫の時を迎えた「ふくおとこ」

9月下旬、アキアカネが飛ぶ頃、城島、山口はふくおとこの田んぼに行った。
山口「台風にも耐えたイネ」
城島「たわわやな」
山口「先まで(実が)入っている」
山口「ずっしりして重たい」
城島「新男米より丸々ぷっくり」
城島「ふくおとこやけど、ぷくおとこ」
城島「僕らの思いと明雄さんの思いが重なった米や」
残る最後の不安は味がどうかだ。

今年で17度目の稲刈り。ふくおとこは初だ。
ふくおとこは茎が太く1本1本しっかりしている。
城島「いいねー!いい硬さ。実が結構入ってて重い」
いつもならテニスコート2面分(半反)のイネを収穫、3時間ほどかかる作業も、35株の収穫は10分とたたずに終わってしまった。
4株ずつ9束のふくおとこ。
ここへ福島DASH村の人たちが登場。
山口「束の数より人数の方が多い」(笑)
みんなで棒を組んで、イネをかけて乾燥させる「はせがけ」を行った。
山口「少な!」

脱穀、精米し、ふくおとこを食す

山も色づき始めた10月中旬。
干すこと3週間。脱穀の時が来た。
貴重なふくおとこ、脱穀機で飛ぶ米粒を防ごうと躍起な城島。
ものの3分で終わったが、脱穀機の間に挟まった米粒を見落とさない城島だった。
山口「1粒でも大事だから」
城島「今になってわかる、母親の言葉。米1粒でも残したらあかんで」(笑)
ふくおとこ35株からどれだけの籾が獲れたのか?
去年新男米は10袋310kgだったが、量ってみたら1.01kgだった。
これを全部使えるわけではない。種を厳選しなければならない。これが14,000粒必要。
グラムにして約500g必要ということになる。つまり半分は残さねばならない。
そして残りの半分を籾すりにかける。すると青い粒が目立った。これは熟しきれてない証。
原因は夏の日照不足だ。味は少し落ちると言われる。
この玄米を精米してヌカを取れば、さらに少なくなった。
驚く城島。
山口「おにぎりにするとして、ごめん俺の分しかない」(笑)
青いのはなくなったが、割れ米(旨味・食感が落ちる)が入っている。
量ってみると、2合半だった。
しかし、世界でこれしかない新品種だ。

例え少なくとも仲間たちとともに、収穫を祝う。福島DASH村のみんなと。
米とぎは山口が買って出た。ご飯がおいしく炊ける羽釜で炊いた。
みんなが準備した食卓に「ふくおとこ」が登場するとともに、米食味鑑定士・入口寿子さんも登場した。
ふくおとこ誕生のきっかけとなった人だ。
このご飯を城島が16等分して、「いただきます!」
「香りが違う」「嗅いだことがない香り」というみんなの声。
山口「まろやか!粒がわかる。これ旨いよ」
城島「違うわ。最初より途中から旨味が来る感じ」
難波さん「甘みが残りますね」
城島「これが雑味ってもの?」
入口さん「美味しい香り。(食べると)美味しいです。いいです。後に旨味が残る感じはありました」
と高評価。
入口さん「たった1年で雑味が出るなんて、よく頑張ってされたと思います」「だけど、美味しいんですが、ふわっとしてますね。もう少しインパクトが欲しい」
おそらく原因は異常気象による生育不良。青米や割れ米が多かったことで、米の旨みにバラつきが出てしまったのだろう。
城島「可能性はありますよね」
山口「これからだね」

品種改良は長い道のりだ。
より良い種を選別してひとつの品種が出来上がるまで10年とも言われている。
城島・山口「みなさんの力を借りて頑張っていきましょう!」

以上が新品種「ふくおとこ」作り、540日の記録である。


(2017年11月19日放送の「ザ!鉄腕!DASH!」からダイジェストで紹介)

【ザ!鉄腕!DASH!公式HP】http://www.ntv.co.jp/dash/


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